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秋田港
あきたこう
秋田港は秋田市土崎地区の旧雄物川河口に位置し、昭和16(1941)年以前は土崎港と呼ばれていた。
江戸時代中期からは「北前船」が寄港する西回り航路の要港として明治中期まで隆盛が続いた。
戦後、昭和26(1951)年に国の「重要港湾」に指定された後、本格的な港湾整備は秋田湾地区が新産業都市の指定を受けた昭和40(1965)年頃から始まった。港の周辺には亜鉛製錬所、火力発電所、製紙および合板・木材関連の大型企業が立地している。
平成7(1995)年に韓国・釜山港との間に外貿コンテナ定期航路が開設されたほか、平成11(1999)年には新潟港など日本海側の主要港を結ぶ国内長距離フェリー航路も開設されるなど、日本海北部の物流拠点港として重要な役割を果たしている。
平成24(2012)年4月、新国際コンテナターミナルが完成し、利用が開始された。
同ターミナルは、大浜地区のコンテナヤードを外港地区に移転する形でつくられ、コンテナヤードの面積は4haから11.3haに拡張された。
4万t以上の大型船が入港可能で、コンテナの取扱量は年間7万TEU(20フィートコンテナ1本が1TEU)に増えた。
船からコンテナを降ろす大型のガントリーククレーン1基と、ヤード内のコンテナを運搬するトランスファークレーン2基を備え、
荷役作業の効率の飛躍的な向上が見込まれるほか、ゲートには放射線検知装置も完備されている。
秋田県では、平成26(2014)年度までにターミナルをさらに5ha広げ、年間のコンテナ取扱能力を10万TEUに拡充させる計画である。
秋田港は平成23(2013)年11月、国土交通省より国際海上コンテナ分野で「日本海側拠点港」にも選定されており、
こうした拠点港に相応しい機能が備わりつつあることから、日本海側のゲートウェイとして今後の取扱量の増加が期待される。
こうした中、近年注目を集めているのが秋田港を舞台とした「環日本海シーアンドレール構想」である。
これは日本海側の主要港の中で極東ロシアに最も近く、しかも港湾に隣接する鉄路を唯一有する秋田港を核にしながら、
日ロ間にシベリア鉄道経由の新たな物流ルートを確立しようとする構想である。
この構想実現に向け、環日本海時代を担う物流拠点港としてインフラ整備や航路開設等の取り組みが行われている。