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秋田の方言
あきたのほうげん
秋田の方言は、北部方言(鹿角・大館北秋田・能代山本)・中央方言(秋田・男鹿・潟上南秋田)・南部方言(大仙仙北・横手・湯沢雄勝・本荘由利)に大別される。鹿角地方はかつて南部藩に、本荘由利地方は本荘・矢島・亀田3藩に属していたことから、他地方とは異なる旧藩特有の方言表現がみられる。このことから、さらに鹿角方言・県北方言・中央方言・県南方言・由利方言の5つの方言圏を設定することが出来る。5つの方言圏の特徴を、相手に尊敬語で「そうです」と話すと次のようになる。
- 鹿角方言
- ソーダンシ
- 県北方言
- ンダッシ
- 中央方言
- ンダッシ、ソーデアンシ
- 県南方言
- ンダンシ
- 由利方言
- ンデゴザリアンシ、ンデガンシ
次に特徴的な秋田の方言を項目別に示す。
《自然・動植物》
- しが
- 氷。冬に水たまりや池などに張る氷をさす。
- たろんぺ
- ツララ。軒先などに水滴が垂れてできる氷をさす。
- ばっけ
- ふきのとう。早春に生えてくるフキの花芽のこと。
- はったぎ
- イナゴ。イナゴはイナゴ科に属するバッタ類の総称。
- びっき
- カエル。「げぁろ」「ぎゃぁろ」ともいう。
《食べ物》
- がっこ
- 漬け物。「雅香(がこう)」、「香香(こうこう)」から変化したといわれている。
- ぼだ
- 塩鮭(塩引き)。塩辛い塩鮭をさすことが多い。
《身体》
- あぐど
- かかと。足のかかとをさす。
- なじき
- ひたい。顔のひたいをさす。
- ひざかぶ
- 膝かしら。足の膝かしらをさす。
- まなぐ
- 眼。まなこ(眼)からの変化。
《人間関係》
- あば
- おかあさん。母親をさすが、妻の意味でも使用される。
- おど
- おとうさん。父親をさすが、夫の意味でも使用される。
- かまどけし
- 破産した人。かまど(竈)を覆すという意味といわれる。
- わらし
- 子ども。小学生くらいまでの子どもに使用される。
《性格》
- えふりこぎ
- 見栄を張ったり、自慢げで生意気な態度を表す言葉。
- だじゃく
- 乱暴、わがままなど、周囲に迷惑な行動をとる場合使用する。
- ひやみこぎ
- 「せやみこぎ」ともいう。面倒くさがりなど、「背病み」が語源といわれる。
《感覚・感情》
- うだで
- 嫌だ、気持ち悪いなど不快な気持ちなどを表すことば。
- きまげる
- 怒る、残念に思う。「肝焼ける」が語源といわれる。
- こえ
- 疲れる、だるい。疲労で筋肉が「強(こわ)ばる」が語源。
- こじける
- すねる、ひねくれる。
- ごしゃぐ
- 怒る、しかる。「後生を焼く」などが語源といわれる。
- しょし
- 恥ずかしい。「笑止」からきたともいわれる。
- どでんした
- 驚いた、びっくりした。「動転」が語源といわれる。
- ほんじね
- 非常識だ、どうしようもない。「方図ない」からきたともいわれる。
《態度・様態》
- しね
- 肉などが硬くかみ切れない時などに使用されることば。
- ちょす
- いじる、からかう。「嘲す」からきたともいわれる。
- ねまる
- 座る。ゆっくり、くつろいで座る様子をいう時に使用される。
- はばける
- 喉につかえる。食べ物が飲み込めない状態をいう。