イタヤ細工
いたやざいく
イタヤカエデ、藤つる、竹、棒などを材料に作られる箕(み)やカゴなどの工芸品。 秋田市太平黒沢地区、仙北市角館町雲然(くもしかり)地区で技術を伝承され、 イタヤを主な材料とするのは、工芸に適した竹が少ない北東北だけである。 材料のイタヤは、直径10cm前後の若いイタヤカエデを縦に8等分くらいに割り、中芯を取り除き幅を整え、 年輪に沿って1枚ずつ帯状に剥がしてから面取りをして仕上げる。 道具には明治25(1892)年ころに発明されたカッチャ小刀と呼ばれる左側に刃が付いた独特の小刀を用いる。 江戸時代中ごろには作られていたと考えられ、農家などの必需品として需要が増加し、県内や青森、岩手、山形などで盛んに作られた。 しかし、近年は需要が減少し、黒沢、雲然と山形県大石田町次年子(じねんご)で作られるのみである。 平成21(2009)年3月に「秋田のイタヤ箕製作技術」として重要無形民俗文化財(国指定)に指定された。