おくのほそみち(まつおばしょう)
元禄2(1689)年、俳人松尾芭蕉は『奥の細道』の旅で象潟を訪れた。当時の象潟は入り江に多くの小島が浮かび、宮城の松島とともに景勝地として世に知られていた。芭蕉は両地について「松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし」と述べ、「象潟や雨に西施がねぶの花」の句を詠んでいる。この美しい土地も、文化元(1804)年6月4日の大震災で海底が隆起し陸地となり、今では水田のなかに点在する小島にその面影を残すにとどまっている。