主旨・体系図
事業の主旨
我々秋田県職業能力開発協会は、若年技能者の技能の向上、技能振興機運の醸成等を図ることを目的とし、以下の事業展開を行います。
技能指導
- ・若年技能者の人材育成を行う企業・業界団体、教育訓練機関に対して、ものづくり分野におけるキャリア・アップ支援のための技能指導。
- ・技能競技大会による演習を通じたスキルアップ。
- ・ものづくりマイスター等の認定・登録を行い、技能の継承や後継者の育成を行うと共に、ものづくり技能の強化・継承を支援。
スキル向上・機会提供
- ・地域における技能振興の取組を推進するため、地域関係者による技能尊重機運の醸成、技能士のスキルアップやレベルの向上。
- ・技能士を活用した技能習得機会の提供。
事業実施
- ・地方公共団体や経済団体等地域関係者による連携会議を設置し、推進計画を策定の上、関係者が連携協力の下に事業を実施する。
体系図
魅力の発信プロジェクト
高度な技能をもった「ものづくりマイスター」、「ITマスター」、「テックマイスター」が
中小企業や工業高校等において実技指導を行い、若年技能者の育成や技能継承を行っています。
体験型授業
体験型授業により作り上げる喜び、ものづくりの楽しみを体験してもらい興味を持ってもらいます。また、ものづくりマイスター、現代の名工(卓越技能者)、秋田の名工(県優良技能者)や一級技能士が講師を務めることにより、技能に携わるものがたくさんいる中で数少ない超一流の技能者が存在することを知ってもらいます。また、技能の尊重につながるよう学校関係者に対してもこの機会を通じて技能の重要についての理解を深めてもらいます。
ものづくり現場・訓練施設等見学会
ものづくり現場の見学や訓練施設などを見学するツアーを企画し、小中学校においては、ものづくりへの興味を目覚めさせることを目的に、高校生においては仕事としてのものづくりに対しての関心を育む目的に開催します。 なお、地域のモデルとして、特定の小中学校については、技能の魅力、役割等を伝える授業とともに、ものづくり現場の見学ツアーにも参加し、より技能等に関する知見を深めるようにします。
講座等の開催(教員向け)
小中学校・普通高校の教師に対し、技能に対する理解、ものづくり産業の必要性・重要性について認識を深めてもらう事を目的に実施します。
講座等の開催(保護者向け)
進路については、親の認識がどうあるかが学生の進路に少なからず左右することから、 講座を開催し、技能振興気運の醸成を図るとともに技能に対しての理解と 「ものづくりの重要性・必要性」「ものづくりの魅力」の認識を深めてもらい、 ものづくり産業への就職を視野に入れていただきます。
開催記録
ものづくり体験教室
IT魅力の発信
実技指導
実技指導体験者の声
生徒の声
「溶接中の音を聞きなさい」
溶接条件や技術をたくさん、指導していただきました。その中で「溶接中の音を聞きなさい」というアドバイスが最初、理解できませんでした。音を意識し、練習を重ねていくと、溶接状態の良い時の音を感じることができ、それを維持することもできるようになりました。また、練習中でも常に製品をつくる気持ちで取り組む重要性も指導していただきました。将来はものづくりをする企業で働きたいと考えているので、とても勉強になりました。
秋田県立小坂高等学校 環境技術科 2年 菊地 尚至
教員の声
「県内初の溶接技能評価試験(A-2F)にチャレンジ」
明確な目標がないと、レベルアップは望めないと考え、溶接技能評価試験(A-2F)にチャレンジ出来る技能指導をお願いしました。安全作業はもちろん、開先・ルート面加工の事前準備、そして、溶接後のスラグ・スパッタ除去と丁寧に指導していただきました。試験では、7名中6名合格と合格者をだすことが出来ました。とても感謝しています。指導を受けた3年生のある生徒は、マイスター指導後に溶接に興味を持ち、溶接関係の仕事に就職しました。2年生の生徒は、インターンシップ先で溶接技術を評価してもらいました。そして、「来年、会社を受験してほしい」と、うれしい言葉を頂きました。いろいろな所で効果がありました。今後は基本をしっかり定着させて、レベルアップしていきたいと考えています。
秋田県立小坂高等学校 環境技術科 実習助手 畠山 忠大
マイスターの声
「溶接」ものづくりの原点を学ぼう
近年、溶接技術の進歩は目覚ましく、広い産業分野で用いられ重要な地位を占めています。その一方で3K職場のイメージも強く、この頃の若年者には人気がない職種のようです。しかし溶接技術は、ものづくりの基本作業で、いざ取り組んでみると大変奥が深く面白みがある職種でもあります。溶接棒の先端部分で鉄の原子と原子が自らの技量で結び付け様子を自分の目、耳で感じ取ることが出来ることを若年者に伝えるのは一苦労です。そのために、実際にアークを出し実演して要点を話したり、また若年者が溶接している時に手を取ってアークの長さ、溶接棒の角度、溶接棒と母材の間隔が適正な状態の音を聞かせ五感を磨いてもらっています。溶接から「ものづくりの原点を学び 将来高い技能を身に着けた若者が増えることを期待し、今後も指導していきたいと思います。
相原 幸夫