秋田の基礎知識

阿仁前田村小作争議

あにまえだむらこさくそうぎ

秋田は日本有数の大地主県で、争議件数も多かった。阿仁前田村(北秋田市)の大地主・庄司家と阿仁部農民同盟組合との争議はその最大のもの。大正14(1925)年、小作料の大幅引き上げに反発した小作人が永小作権を主張して組合を結成、昭和2(1927)年、訴訟に発展した。判決は地主側に有利に出たため、組合側は全国農民組合秋田県連合会に応援を求め、可児義雄が指導に当たった。一方地主側も自警団を組織し対立が激化、昭和4(1929)年11月ついには双方に多数の負傷者を出す流血の事態となった。その後、小作権確立と引き換えに可児ら指導者が自首し和解が成立した。