秋田の基礎知識

象潟大地震

きさかたおおじしん

象潟大地震

江戸時代後期の文化元(1804)年6月4日の夜10時頃に象潟沖を震源地として発生したマグニチュード7.1の直下型大地震。被害範囲は子吉川以南から山形県庄内地域までの海岸部。旗本仁賀保家に残された資料などから死者はわかる限りで369人、全半壊家屋7700軒余りであった。
 震源地に近い象潟では地盤が1.8m余りも隆起し、松尾芭蕉も最北の歌枕の地"象潟"は一夜でドロ沼になった。地震後、跡地の開田を計画する本荘藩の動きを知った古刹蚶満寺住職覚林は風景の一部でも残してほしいと京都の閑院宮家の支援を背景に反対運動を展開した。
 現在、往時のおもかげが田の中に点在する小島としてわずかに残っている。

(写真:象潟図屏風)