秋田の基礎知識

稲庭うどん

いなにわうどん

稲庭うどん

手づくりの乾麺で300年以上前から稲庭(現湯沢市)でつくられてきたもの。このうどんの起源は明らかではないが、最初飢饉をしのぐために小麦粉を練って手綯いうどんをつくったのが始まりともいわれる。干饂飩(ほしうどん)は佐藤市兵衛が始めたといわれ、元禄3(1960)年には秋田藩御用を得る。その子孫はこれを廃業したが、この頃より佐藤吉左衛門(稲庭吉左衛門)が干饂飩製造所を興し、品質の改良に努めたとされる。寛文5(1665)年に佐藤吉左衛門が創業した記録が残されているが、また宝暦2(1752)年に秋田藩の名品として御用達になり「稲庭干饂飩」の名称が与えられ、諸大名がそれぞれのお国自慢の特産品を贈答に使用したとき、稲庭うどんも各藩の認めるところとなったという。機械を一切使用せず、稲庭地域の自然風土、最良質の小麦粉、父祖伝来の手揉み、手延べ製法によって初めて得られる滑らかで淡白な味は、このうどんが伝える風格の高い味と親しまれている。