秋田の基礎知識

秋田フキ

あきたふき

秋田フキ

秋田フキはその大きいことでよく知られている。 旧藩時代に秋田藩主佐竹氏が江戸城で諸大名に秋田の大フキの自慢話を持ち出し、本物を国元から取り寄せて面目をほどこしたという御国自慢のひとつでもある。 秋田音頭の文句のなかにも「雨が降っても唐傘などいらぬ、手頃なフキの葉さらりと差し掛けサッサと出て行がえ」と歌われるほどである。 秋田フキは食用にもなるが、蕗刷りという植物性を活かして茎葉の現物を布地に摺り染めにした屏風、衝立(ついたて)、襖(ふすま)などは見事なものである。 蕗刷りは江戸時代後期に藩内外の名士に賛をさせたものが残るというから、古い伝承技術のひとつといえる。