秋田の基礎知識

例年、高梨神社の祭礼に奉奏される神楽は、純神道系神楽だともみられて、保呂羽山波字志別神社の霜月神楽(旧大森町)の系譜を引くといわれる。 この神社で行われるようになったのは昭和の初めとされ、近隣の神職、神楽師の間で伝承されてきた神楽を神社祭礼祭式のなかに組み込まれたとされる。 神楽それぞれの舞の源流は相当古いとされ、中世に存在したとの伝えもある。 正神楽の演目は岩戸開の舞・五調子の舞・神入の舞・一の宮舞・翁の舞・二の宮舞・御酌の舞・宝来廻りの舞・ 三剣五所の舞・撤饌の舞、があり、神職・神子によって舞われてきた。 採り物には榊、刀、扇、鈴、旗などがみられる。神楽の舞では室礼も厳重で、特に御酌の舞、 宝来廻りの舞では拝殿中央に蓬莱山を見立てた榊などを立てて、それを廻って舞う所作がある。 囃子には大太鼓、胴長太鼓、笛、手平鉦に鼓が入るという神楽らしい優雅な拍子が多いのも特色であろう。